あなたは、小林まこと先生の「青春少年マガジン1978~1983」というマンガを知っているだろうか。
おそらく、小林まことというマンガ家は知っていても、本作を知らない人の方が多いのではないだろうか。
そんなあなたの為に、青春少年マガジン1978~1983について解説していくので是非読んでほしい。



小林まこと先生って「1・2の三四郎」、「柔道部物語」とかの作者だよね。この青春少年マガジンはどういうマンガなの?

このマンガはいわゆる自伝だな。少年マガジンでデビューした1978年から1・2の三四郎の連載終了までの1983年を回顧して描かれたものだゼ。
小林まこと 1958年新潟県新潟市生まれ。格闘三兄弟が少年マガジン創刊1000号記念の新人賞を獲得し、主要キャラをそのままに1・2の三四郎を少年マガジンで連載。その1・2の三四郎が第5回講談漫画賞を受賞。代表作に1・2の三四郎、柔道部物語、What's Michal?などがある。
どんなマンガなの?
このマンガは、週刊少年マガジン創刊50周年の企画として描かれれたマンガであり、小林まことの苦労話や経験談などが詳しく描かれている。全1巻。
ノンフィクションのため実在の漫画家、編集者が登場しており、当時の小林先生の人間関係や漫画家のつらさなどがリアルに垣間見れた稀有な作品だと思いました。個人的に好きです。

どんな人が登場するの?

当時のマガジン編集者や連載していた漫画家が登場しているな。小野新二や大和田夏希なんかは同期だから、よく登場するゼ。
このマンガをオススメできる人は?
まずオススメできる人は、1978~1983年あたりの週刊少年マガジンについて知りたい人にはオススメです。当時の漫画家、小野新二、大和田夏希、手塚治虫、梶原一騎、柳沢みきお、しもさか保、服部かずみ、川三番地、もとはしまさひで、楠みちはる、史村翔、しげの秀一などが登場するからです。

すごい登場するね。

ああっ、ただ一冊のマンガだから、そんなに登場するわけではないので注意だゼ。
次にオススメな人は、週刊連載の実態を知りたい人にオススメです。
このマンガでは実際に週刊連載していた作家の悲哀が切実に描かれているので見る価値ありです。

週刊連載って辛いの?

漫画家によりけりだけど、もし一人の場合は、途方もない作業量だし、アイデアも出さないといけないというダブル苦痛だな。その大変さが、このマンガには描かれているゼ。

3番目にオススメな人は、小林マコト先生のマンガのファンの方です。小林マコトといえば、独自のギャグや物語のメリハリ、正確な描写などが持ち味ですが、このマンガもメチャクチャ小林先生の色が出ており、面白いです。
私が流石だと思ったシーンは、やはり週刊連載の大変さを描いてるシーンで、異常な労働環境をサラリとわかりやすく書いていたり、親友二人も週刊連載の大変さから逃れられなかった所を具体的に描いてくれているので、読むことに没頭してしまいました。
また巻末には11歳から19歳までに描いたマンガの紹介ページや、デビュー作であり、1・2の三四郎の前身である「格闘三兄弟」が読めるのでファン必見です。

つらいけど読んじゃう、小林先生のマンガ力は凄いね。

流石だよな。一冊のみだけど読み終えた後の満足感はたまらないゼ。
最後にオススメな方は、ノンフィクションが好きな方です。吉田聡先生の「七月の骨」、藤子不二雄A先生の「まんが道」や吾妻ひでお先生の「失踪日記」などの日記シリーズが好きな方はオススメです。
また未読の方も青春少年マガジンが好きならば、この3作品を好きになると思うので、読んでみてはいかがでしょうか。
七月の骨に関してはこちらの記事に詳しく描かれているので興味のある方は是非読んでみてください。

3作品とも面白いよね。登場人物に血が通っているというか。ただ子供には面白さがわからないかもね。

そうだな、合わない人にはとことん合わないと思うゼ。また大人の方が好きになる確率は高いと思う。酸も甘いも経験した人に響く感じかな。俺は三つとも好きだけどね。
まとめ(私の考え)
いかがだったでしょうか。世の中にはあまり出回らない漫画家の大変さがよくわかるマンガで、本文はたった200ページ前後なのにそれに似合わない何倍もの気持ちいい読了感が得られたマンガでした。
また、バリバリ伝説や頭文字Dで有名なしげの秀一先生が小林先生の1日アシスタントをしていたなどの貴重な情報も得られたのは、マンガ情報を扱うマンガ発信者として嬉しい誤算でしたね。
以上です。
これからもいろいろなマンガについて記事にしていきますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
おまけ
小林まこと先生の1・2の三四郎に多大なる影響を受けた高橋ヒロシ先生の「クローズ」の強さ議論は下記のリンクから読めますので興味のある方は読んでみてください。
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